あの旭化成陸上部にケニア人が加入。72年目の改革断行はなぜ? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 こうした経緯から、昨年の夏前には外国人選手の採用を決め、代理人にも接触し始めた。

「元々うちの伝統は社員として採用するので、プロはいませんでした。できれば高校や大学の留学生を採用して選手として、社員としても育てたいという希望がありましたが、それだと高校3年や大学4年の選手を採るには時期的に間に合わないし、今の下級生に声をかけてスカウトしても、実際にニューイヤー駅伝で使えるようになるのは早くて3~4年後になる。本来の姿は留学生を社員で採ることですが、そこは引き続いてやりながらも、強くするためにはあらゆる手段を使おうということで、プロ選手の獲得も視野に入れて動き出しました」(坂本常務)

 今回正式契約した、ケネス・キプロプ・キプケモイ(32歳)は、1万m26分52秒65とハーフマラソン59分01秒のベスト記録を持ち、13年世界選手権1万mで7位になっている。もうひとりのアブラハム・キャプシス・キプヤティチ(24歳)は、ハーフマラソン1時間00分03秒のベスト記録を持っている。

 いろいろな方向性を探りながら人選をする中で、昨年末にはこの2人に候補が絞られた。2月の丸亀ハーフに招待選手として出場した時に走りを確認した結果は、キプヤティチが1時間01分00秒で前年に続いて4位になり、キプケモイは1時間01分27秒で8位。そのあと、面接をして正式契約に動き始めた。

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