リオ五輪リレー銀メダル4人の今季スタート。最初の記録更新は誰か? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 今季は、世界選手権(ロンドン)が開催される8月に照準を合わせていて、今はまだ練習でもいろいろなことを試しながらやっている段階だという。その中で出雲、織田と向かい風の条件で10秒0台を出せているのはいい傾向だが、一方でできればこのくらいの条件でも9秒台で走れる力をつけなければダメだという危機感も持っている。

「決勝では50~60mのところでもっと(スピードを)上げたかったし、上がるかなという感じもあるので。今年は80~100mの間もそんなに落ちていないので、そこが上がれば今の力でも自己ベストを出せると思っています。それに去年までは、10秒0台を出したあとは少し疲れが出て体も重い感じになっていたんですが、今年は出雲の0台のあともオーストラリアの0台のあとも体が重いというのはそこまではなく、まだ100mを走れるなという感じだったし、次の日も普通に練習ができたので。そこはオフの時に300mなどいろいろやったり、ウエイトトレーニングを入れたりしていた効果だと思います」

 こう話していた桐生は、5月3日の静岡国際陸上では200mに出場して、高校3年で出した20秒41の自己記録更新を狙った。だが今年は静岡もあいにくの向かい風となる条件。予選は21秒01と全体2位の記録で決勝に進出したが、前日から微熱が続いていて、レース後には頭痛が出てしまい、土江コーチに止められて決勝は棄権した。4月16日からの2週間で3試合に出場した上に、30日には別の用事で松江にも行った。土江コーチは「体は大丈夫だが、気疲れや全神経を集中してレースをしたダメージが出たと思う。5月13日のダイヤモンドリーグ上海大会もあるので大事をとった」と説明する。

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