【月報・青学陸上部】ケガ知らずの小野田勇次が箱根4連覇のカギ握る (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「いや、本当に何もないですね(笑)。でも、あえて言えば僕が走れているのは故障しないからだと思います」

「無事之名馬(ぶじこれめいば)」とはよくいったものだが、たしかにケガをしない選手は活躍し続けることができる。イチローがいい例だ。

「故障しないって、すごく大きいと思います。みんな、けっこう故障している時期があるんですけど、僕は1年の時から大きな故障がなく、普通に練習をしていました。痛みがあったりすることはあったけど、練習を抜けたことはないです。結果が出ているのは、トータルでの練習量の差が出ているんじゃないかなと思います」

 故障がなくても調子が下降線をたどったり、なんとなく上がらない時期もあったりするはずだ。昨年8月の御嶽合宿で小野田は、フォームに乱れがあり、調子が今ひとつの状態だった。調子が悪い時はどうしているのだろうか。

「調子が悪いなって時も走ります。下田さんやタムカズ(田村和希)さんは、そういう時、練習が軽くなるんですけど、僕は『おまえ、サボりたいんだろ』って監督に言われるので、普通に練習しますね。僕も先輩みたいな扱いがいいなぁって思いますが、仕方ないです。サボってないですけど、サボりキャラがついてしまったので(苦笑)」
 
 原晋監督にイジられてはいるが、今まで"コーラ"をはじめ、自分なりに調整を考え、故障なくやってきた。そうして、結果を出してきた。その自信が言葉の端々から感じられる。たぶん、これからも小野田は、自分のやり方を変えずにいくのだろう。

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