高機能が売りのランニングシューズは、どのようにつくられているのか (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

アウトソール素材のダイナライド。走り込んでも剥がれず、小さな突起物が強いグリップ力を発揮するアウトソール素材のダイナライド。走り込んでも剥がれず、小さな突起物が強いグリップ力を発揮する そのため、エッジがベースから剥がれやすく、耐久性が低かった。また、ベースに使われているメッシュは曲げた後の"かえり"がなく、曲げたら曲がったまんま。そのため、シューズ底の中央部に付けられたプラスチック製の補強材を前のほうまで伸ばして"かえり"を出していたが、ランナーにとって補強材は異物感があり、レース中のストレスとなっていた。こうした問題を解決すべく、開発されたのがダイナライドというアウトソール素材である。

「ベースをメッシュではなく、薄いプラスチックにして、エッジはラバー。言ってみれば、文房具の下敷きの上にラバーの突起物を貼ったようなものです。プラスチックの下敷きは曲げても元に戻る"かえり"があり、ラバーはグリップ力があるからウエットな道路でも滑りにくい。

 そのうえ耐久性が高い。それぞれの突起物は、走り続けるうちに削れていくことはあっても、決して剥がれません。この素材は、プラスチックのスペシャリストとラバーのスペシャリストのコラボレーションから生まれましたが、日本の技術力の高さの証明だと思います」(武田氏)

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