高機能が売りのランニングシューズは、どのようにつくられているのか (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

ミッドソールの模型。赤い部分がラピッド・リバウンド、緑の部分がレブライトミッドソールの模型。赤い部分がラピッド・リバウンド、緑の部分がレブライト 次に開発チームが取り組んだのは、軽量化だ。

「シューズを履いている感じがしないほど軽く、足への負担を少なくしたい。しかも、地面に伝えた力を次の動きにダイレイクトに伝えたい。軽量化と反発弾性を実現するため、レブライトとラピッド・リバウンドという2つの素材をミックスしたミッドソールを開発しました。

 レブライトという素材はとにかく軽いんです。でも硬いので、フルマラソンを走ると後半には痛さを感じてしまう。その硬さを緩和するために開発されたのが、反発性に優れるラピッド・リバウンドでした。ところが、こちらの素材は比重が大きく、重くなってしまう。そこで、ランナーのシューズの中と底にセンサーを付け、走っているときは、どこに圧がかかるかを測定しました。その数値に基づき、圧のかかる接地面にはラピッド・リバウンドを使用してクッショニング効果を高め、そのほかの部分はレブライトにして軽量化を追求しました。2つの素材をミックスした、適材適所のミッドソールです」(武田氏)

 続いて検討されたのが、アウトソールだ。ランニングシューズの底に数多くつけられている小さな突起物=エッジ。あれはトラック用スパイクと同じ役目をアスファルトの道路で果たすためのものだが、従来品はベースに衣類素材のメッシュを使用し、その上にプラスチックのエッジがつけられていた。

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