【月報・青学陸上部】山の神からの伝言。「4連覇へ向け、食事の改善を」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


小関 僕は今、ひとり暮らしをしているんですけど、ひとりだとなんか寂しいんですよ。だから、今はバイトと就活に力入れているんですけど、寮を離れてみて、みんなと毎日明るく、ワイワイやりながら食事をするのがすごく楽しかったなぁって思いますし、それがいちばんの思い出ですね。

――逆にいちばん大変だったことは、どんなことだろう。

小関 大変だったことは、僕が4年になって新チームになった時、チームをうまく機能させることができなくて......。僕が主務になったんですが、マネージャー同士の連係がチグハグだったり、監督の求めるものと選手が求めるものをうまく合致させるのが難しくて、その時はかなり苦しみました。

安藤 僕は3連覇できたこととか、思い出はいろいろあるんですが、いちばん楽しかったことは先輩の部屋に行って一緒に遊んだり、悪さをしたり、そういう日常がいちばんの思い出ですね。大変だったのは"朝"です。僕、朝起きれないんですよ。先輩といた時も自分が遅く起きていたし、4年でキャプテンになってからも朝がつらくて、毎日やめようって思っていた。でも、耐えました(笑)。あと、夏合宿ですね。キツくて本当にダメ。もう一生やりたくないです(苦笑)。

 陸上部での思い出は箱根駅伝優勝とか、タイトル獲得の話になるのかなと思いきや、日常生活における原監督や仲間との絡みやワイワイと明るい雰囲気での食事などが心に強く残っていることに学生らしさを感じた。プロや実業団にはないフラットな人間関係を築き、仲間と苦楽をともに過ごすことができるのは大学時代しかない。特に青学の場合は寮生活で常に顔を突き合わせているのでケンカをしたり、支え合ったり、人との絆をより深めることができる。そういう経験はある意味、タイトルに勝るものなのかもしれない。

 神野は卒業後、コニカミノルタに属して東京五輪を目指しているが、安藤は競技生活を引退、小関は大学にもう1年残るが陸上部から離れた。

 チームは6日に新1年生が入寮し、箱根4連覇に向けて始動した。今後、「青学王国」を継続していくため、青学がさらに強くあり続けるために必要なものはいったい何だろうか......。

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