ルーキー神野大地の1年。「やりたかったことは85%達成できた」 (4ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

マラソンデビューに向け、順調に結果を残し続ける神野 photo by sportivaマラソンデビューに向け、順調に結果を残し続ける神野 photo by sportiva 社会人になり、確実にステップアップしている神野だが、いまだに箱根駅伝での活躍がクローズアップされることは少なくない。「山の神」と呼ばれることにウンザリしているかと思いきや、神野は「一度も嫌だと思ったことはない」という。

「プレッシャーがないと言えばウソになりますけど、『山の神』ということでいろんな人に注目してもらっている。それを自分は力に変えることができたので、この1年間、成果を上げることができたと思います。ダメなときは、『山だけだったか』と倍の批判を受けるかもしれませんが、いいときは『やっぱり神野はすごい。平地も速いんだ』と倍の評価をされる。いいほうに転ぶように、とにかく自分は努力をするだけだと思って、この1年間取り組んできました。平地でも走れることは証明できたと思うので、心の声をいうと、次に平地で走れなくても、『山だけだった』という評価は控えてもらえると嬉しいなと思っています(笑)」

 柏原竜二(東洋大→富士通)は「山の神」の重圧に苦しんだが、神野は楽しんでいるように見える。そして、最初に「山の神」と呼ばれて、マラソンで現役日本人最速タイムを持つ今井正人(順天堂大→トヨタ自動車九州)の社会人1年目と比べても、神野の充実ぶりは際立っている。

「2017年シーズンはマラソンに挑戦します。結果を出して、『山の神』から『マラソンの神』になれるようにがんばります!」

 はっきりとそう話す神野だが、どのような青写真を描いているのか。マラソン挑戦に向けた、より詳しい話を聞いてみた。
(つづく)

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