ルーキー神野大地の1年。「やりたかったことは85%達成できた」 (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

 神野は大学3年生の春には、実業団2年目となる2017年シーズンでの「マラソン挑戦」を決めていたという。そのため、平坦なコースで記録の出やすい熊日30キロロードレースではなく、起伏のある青梅を選んでいた。

「熊日だと、30kmのための30kmレースで終わってしまうのかなと思ったんです。一方、青梅はアップダウンがありますし、自分で引っ張らないといけない場面もある。マラソンに近いペースで進み、なおかつコースがきついので強さが求められます。マラソンのための30kmと考えて、春の段階で青梅に出場することを決めました」

 1~2月は、ニューイヤー駅伝、都道府県駅伝、丸亀ハーフと3本のレースに出場しており、「30km」に向けたトレーニングはそこまでやっていない。

「ニューイヤー駅伝後の合宿で、30km走と32.195km走を1本ずつやりました。30km以上の練習はこの2本だけです。青梅マラソンは絶対に優勝したいと思っていましたし、大会記録(1時間30分21秒)の更新も狙っていましたが、風が強くて、自分がマークされる感じでレースが進みました。

 自分のリズムでもう少し押し切ることができたらよかったんですけど、途中で集団のペースが落ちてしまって。反対に終盤にスパートをかけられました。それでも、最後の5kmを15分18秒でまとめることができたので、妄想でしかなかったマラソンが、30kmを走ってみて少し見えたような気がします」

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