【月報・青学陸上部】立川ハーフで見えた「箱根4連覇」への不安と課題 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 箱根候補に名乗りを挙げた橋詰だが、これはチームにとって非常に大きい。

 橋詰ら2年生は梶谷、森田、小野田、富田、林奎介、山田滉介と精鋭揃いで、神野大地たちの「最強世代」や3年生の吉永、田村、下田裕太、中村祐紀たちの代に負けないくらい選手層が厚い。箱根を走れなかった橋詰たちがレベルアップしていけば、チーム内に激しい競争が生まれ、よりチーム力が高まる。そうして全体の選手層が厚く、強くなれば、必然的に箱根4連覇が見えてくる。

 しかし、レース終了後、吉永は少し渋い表情をしていた。

「箱根を走っていない橋詰がチーム内トップ、全体の5位で走れたのはいい収穫だったと思いますし、2年生はすごく調子がいいので、この代の層が厚くなってきた感はあります。でも、チーム全体としてはあまり良くなかったです。3位以内に入ってユニバにという目標が達成できなかったですし、1年生も目立たなかった。そこは少し残念でした」

 吉永が言うように2年生は橋詰をはじめ、森田が9位(1時間3分02秒)、小野田(1時間3分42秒)と梶谷(1時間3分48秒)が自己ベスト更新、山田が1時間3分54秒で29位になり、5人が30番内に入るなどまずまずの結果だった。

 3年生は下田が膝のケガが完治せず、中村は1週間前に東京マラソンを走っており、ともに欠場。1ヵ月前の丸亀国際ハーフマラソンで9位に入り、自己ベストを更新した田村は「学生ハーフで優勝を狙う」と気合いを入れての出走だったが、腹痛で途中棄権した。田村は箱根もそうだったが、レース途中での腹痛が続いているのが心配だ。大越望が自己ベストを更新し、吉永自身は故障明けの初レースで「状態が悪い中でもまとめられた」と手応えを感じていたが、キャプテンとして見た3年生は今ひとつの印象だったのだろう。

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