びわ湖は惨敗。瀬古リーダーもほめる川内優輝の代表入りが確実に (3ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 順当なら残り1枠。東京で2時間9分12秒の山本浩之(コニカミノルタ)と、別府大分を2時間9分32秒で制した中本健太郎(安川電機)が争う。大会のグレードがやや落ちるとはいえ、別府大分を勝った中本は「勝負強さ」という面でアドバンテージがあり、世界大会でのキャリア(ロンドン五輪6位、モスクワ世界選手権5位)も抜群だ。瀬古リーダーも、「優勝は競技の基本。この場で決定とは言えませんが、有力ではあります」と話しており、中本が優勢と見ていいだろう。

 びわ湖で日本人トップに輝いた佐々木悟(旭化成)は、瀬古リーダーが、「コンディションがよかったので、2時間8分台、7分台が出るんじゃないかと思っていた。少なくとも2時間10分かかるコンディションではない。選手たちに『何で?』と聞いてみたい」とぼやくほどで、代表入りは絶望的だ。

 東京で中間点を1時間1分55秒で通過するなど、積極果敢なレースを見せた設楽悠太(Honda)も、瀬古リーダーが「マラソンのセンスは高い」と評価するものの、代表入りはかなり難しい。日本陸連は「同一レースに出場した選手については、レース内容よりも順位を評価する」という方針のため、よほど強いプッシュがない限り、順位が上の選手を押しのけて、選ばれることはないからだ。

 設楽が東京で日本人2位に入っていれば、状況は変わっていたかもしれないが、今回のロンドン世界選手権代表は、井上、川内、中本の3名でスンナリ決まりそうな雰囲気が漂っている。個人的には、陸連推薦のような枠を設けるなど、「本大会で活躍が期待される選手」という基準をもっと柔軟に活用して、若手のホープを抜擢しても面白いと思っている。

 男女のマラソン日本代表は3月17日に都内で行なわれる日本陸連の理事会で決定する。

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