【月報・青学陸上部】箱根からたった2週間でマラソン合宿敢行の意味 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 原監督も下田の成長を強く感じるという。

「昨年、下田はおそるおそるマラソンのトレーニングをするという感じでしたけど、今回は意欲的にトレーニングができて、ベースも上がってきている。昨年は2時間31分35秒だけど、今年は4分速いですからね。順調ですよ。

 東京マラソンでは守りに入らず、先頭争いをして攻めていければ、2時間8分台が出ると思います。そのくらいの力を箱根で十分つけている。ただ、昨年はノーマークでノープレッシャーだったけど、今回はある程度注目される。プレッシャーがあると思うけど、まだ若いし、失敗してもいいから思いきりチャレンジしてほしいですね」

 練習を見ていた栗城フィジカルトレーナーは、下田の走りはよかったという。

「しっかりとコアを入った状態でスピードが出せるようになったし、体をひねって走るフォームは30kmを超えても比較的、安定していました」

 周囲の期待に当の本人はちょっと慎重だ。

「今回の合宿は、まぁこんなもんかなという感じです。正直、フォームもまだ微妙ですし、心肺機能も高めていかないといけない。東京マラソンは昨年うまく走れていないのでどうかなって思いますけど、目標は前回(2時間11分30秒)よりもいいタイム。できれば2時間10分を切りたいし、学生記録(2時間8分12秒)も狙いたいです」

 下田と中村祐は、もう一度、合宿で42.195kmを走り、神奈川ハーフ(2月5日)をはさんで、東京マラソンに臨む。40km走の本数は前回、東京マラソンを走った時よりも1本多くなりそうだ。これまでは40km走を5、6本踏んで大会に挑むのが常識と考えられてきたが、原監督はそういう時代ではないという。

「今まではマラソンをするためには40kmを5、6本走ってからという固定概念があったけど、そういうのは捨てていかないといけない。そんなに走ったら疲れてしまいますよ。

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