【月報・青学陸上部】3連覇達成のウラに4年生たちの固い絆があった

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun photo by Aflo Sport

極私的! 月報・青学陸上部 第25回

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復路9区で区間2位の快走を見せた池田生成復路9区で区間2位の快走を見せた池田生成 青山学院大学陸上部が箱根駅伝3連覇、大学駅伝3冠を達成した。

 1区・梶谷瑠哉(2年)が流れを作り、3区"秋山隊長"(4年)が快走し、8区・下田裕太(3年)がタムカズ(田村和希)のブレーキをフォローする激走があり......と偉業達成にはいくつかのポイントがあった。その中で目立たずとも、しっかりとアンカーに首位で襷(たすき)を渡す役割を果たしたのが、9区の池田生成(4年)だった。

 163cmの小さな体を目いっぱい使って走り、追いすがる東洋大、早稲田大との差をさらに広げ、自分の役割を全うした。

「最初から突っ込んで走ってしまい、5km地点で結構へバってしまって......自分らしいと言えばそうなんですけど後悔しました(笑)。でも、結果的に区間2位(69分55秒)を取れましたし、首位で安藤(悠哉)に襷を渡せてよかったです。優勝するチームにいられて、本当にみんなに感謝しかないです」

 そういって満面の笑みを浮かべた池田は、これまで主要駅伝での出走経験がなかった。

 昨年までは神野大地、久保田和真ら強力な上級生に太刀打ちできなかった。同じ学年でもエースの一色恭志、2年時に10区を走った主将の安藤悠哉、2年連続区間賞と爆発的な走りを見せる秋山雄飛、スピードが持ち味の茂木亮太らと比較して、"これだ"という強みがなかった。実績では3年の時、関東インカレのハーフマラソンで優勝経験があるが、常に駅伝メンバー入りする存在ではなかったのだ。

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