箱根駅伝の区間エントリーで読む、青学、早稲田、東海ほか有力校の思惑 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by NikkanSports/AFLO

 一方、前回3位の駒大はダブルエースのひとり工藤有生(3年)を予想通り2区に置き、3区は全日本の準エース区間である4区を走った下史典(2年)を、4区には前回も走った高本真樹(3年)をエントリーしたが、ここに変更はなさそうだ。1区の山口優希(2年)は当日変更でもうひとりのエースである中谷圭佑(4年)に変更される可能性が高い。中谷も故障上がりだが、持っている実力は高く、区間賞は取れなくても秒差の上位で走れるとみているだろう。そこから工藤でトップに立ち、3区と4区としのいで5区の大塚祥平(4年)で往路優勝を狙うという作戦だ。さらに西山雄介(4年)を補欠に残しているのは、復路の勝負区間に置き、勝負が復路にもつれた時の勝負球にする予定だと思われる。

 1年生パワーで注目される東海大は、1区には出雲と全日本で1区を走って2位と10位、11月の上尾シティハーフではU20歴代2位の1時間02分03秒で走って早大の武田と山梨学大の上田に次いで3位になった鬼塚翔太と起用。2区には出雲3区で区間賞獲得の1年生エースの關(せき)颯人を起用し、5区にも出雲2区区間2位、全日本3区区間1位と安定した結果を出している舘澤享次(1年)を起用するなど、主要区間を1年生で勝負してきた。

 さらに1年生では上尾シティハーフを1時間02分17秒で走って8位になった松尾淳之介と、1時間03分03で17位になった高田凜太郎。4年生では全日本4区を走った石橋安孝と8区を走った林竜之介が補欠に控えている。4区にエントリーされた坂口竜平(1年)の当日区間変更はあるかもしれないが、1年生たちがうまく20㎞に対応し、流れに乗れば復路でも勝負できるだけの力を持っている。

 1月2日の箱根駅伝往路。青学大が1区に誰を起用して、東洋大の服部がどこで勝負を仕掛けるか。さらにはそれに駒大の中谷、山学大の佐藤、東海大の鬼塚がどう対応し、どれほどの位置で中継するか。1区から最後まで目が離せないレースになるだろう。

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