明暗分かれた「山の神」たち。
3代目・神野はニューイヤー駅伝で輝けるか

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 駅伝で抜群の強さを連発した今井は、マラソンでも結果を出している。マラソン8戦目となる14年2月の別府大分でキャリア初となるサブテン(2時間10分以内で走ること)を達成すると、翌年2月の東京ではアフリカ勢に食らいついて自己ベストを2分近く更新。日本歴代6位の2時間7分39秒をマークして、北京世界陸上選手権の男子マラソン代表を勝ち取ったのだ。

 メダルが期待された北京世界陸上は、大会直前に髄膜炎に侵されて無念の欠場。今年2月の東京も万全な状態で迎えることができず、リオ五輪代表は逃した。それでも、今井は2020年東京五輪を目指す決意を固めており、ニューイヤー駅伝で新たな1歩を踏み出すつもりでいる。

 一方の柏原は、大学卒業後はアキレス腱痛など度重なるケガもあり、本来の実力を発揮できていない。ニューイヤー駅伝のデビューは13年で6区を走り、区間4位。5区は2回走っており、15年に区間7位、前回が区間9位だった。今季は実業団で5年目のシーズンとなるが、1万mの自己ベスト(28分20秒99)は大学2年時からストップしたままだ。

 マラソンについても、昨年9月のシドニーで初挑戦したものの、2時間20分44秒で7位という結果。今年3月のびわ湖毎日マラソンも2時間22分15秒の52位に沈んだ。今回のニューイヤー駅伝は、すでにエントリーメンバーから外れており、同じ「山の神」でも今井とはくっきりと明暗が分かれている。

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