【月報・青学陸上部】原晋監督「3連覇して、どんどん発言していく」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun photo by AFLO



――その銭湯はどんな雰囲気なんですか。

「銭湯にはいろんな人が来ます。議員さん、幼稚園の園長先生、酒屋のオーナー、年金暮らしのおじいさんとかね。そこでみなさんと話をするのが楽しいし、大きな風呂もサウナも気持ちいい。解放感に浸れるし、リラックスできるので、風呂でいろいろと考えを巡らせることが多い。今回の『サンキュー大作戦』もここでひらめいたからね」
 
 大好きな銭湯は箱根本番前にも行くらしい。そこで区間エントリーのメンバーを考えることもあるだろう。その時のひらめきの人選がレースに大きな影響を及ぼすかもしれない。

――他大学が「青学包囲網」を敷いてくると思いますが。

「よく言われるけど気にせんね。例えば、プロ野球でカープが首位にいて、9連戦で巨人、阪神、ヤクルトと対戦する時、各チームがエースをカープにぶつけてくるのはある。でも、駅伝は全員同時スタートだし、エースをぶつけてきたところで、その選手と1対1で戦うわけじゃない。大事なのは自分たちがいい走りをできるかどうかということ。

 結局は自分たちとの勝負なんです。自分たちの調子が悪ければ勝てないからね。うちはこれまで1年間、やるべきことをやってきた。だから、病気や何かアクシデントが起こらないかぎり、うちが勝つよ」

 原監督は、キッパリとそう言い切った。長距離はここ2、3ヵ月の練習で勝てるほど甘くはない。春のトラックシーズンから夏季合宿の走り込みを経て、ようやく走る力が身についてくる。一朝一夕にはいかないのが長距離であり、だからこそこれまでの積み重ねを原監督は重んじ、やってきたことへの自信を膨らませているのだ。

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