【月報・青学陸上部】原晋監督
「3連覇して、どんどん発言していく」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun photo by AFLO



――監督は「箱根は楽しい」という環境作りもするそうですね。

「駅伝シーズンが始まると、いろんなマスコミが取材に来るようになり、箱根前にピークとなります。そうなると、にぎやかになって今日はお祭りみたいだなぁってウキウキするんです。試合前の取材とか、学生にとってプレッシャーになるものは自分が引き受けて、学生が楽しそうだなぁって思える空間を作っている。優勝したら朝からテレビに出たりと、今度は学生たちに本モノのにぎやかな世界を味わってもらう。それが結構、学生のモチベーションになるんですよ」

 これまでの原監督のメディア露出は半端ない。午後のワイドショー『ミヤネ屋』での準レギュラーをはじめ、テレビやラジオに多数出演し、イベント、講演、単行本の出版などメガトン級のボリュームで活動してきた。いずれも原監督の明るいキャラクターや歯に衣着せぬ言動が重宝されてのものだが、それを苦々しく見ている人たちもいる。

――中傷されることも多いのでは?

「あーだ、こーだという陸上関係者はいるけど、まったく気にしてない。ほとんどがやっかみでしょう。私がマスコミに露出して、チームが勝つことで子どもからシニア層まで間違いなくファン層は拡大し、陸上への興味が高まった。

 実際、大分の合宿先で小中学生の陸上教室をやった時は300人ぐらい来て、2時間ぐらいサインしましたからね。各大会会場も青学が行くと反応が違う。私はもっとファンを増やして陸上界を盛り上げていきたい。陸上界を変えていくために、これからもどんどん出ていくよ(笑)」

 とはいえ、いいことばかり続くわけではない。選手が故障したり、練習がうまくいかない時もある。そんな時、原監督が気分転換として行くのが銭湯である。箱根駅伝に初優勝する前から町田の銭湯に行くようになった。最初は地元の客も見て見ぬフリをしていたが、箱根で優勝すると、「やっぱりあんた監督だったかぁ」と声をかけられた。そうして地元の人たちと一気に打ち解けたという。

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