【月報・青学陸上部】コーラ、アイス、お菓子断ち。箱根までの調整法 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 相模原キャンパスで箱根駅伝に向けて陸上部の記者会見が行なわれた。眺めのいい9階のホールには100名以上のマスコミ関係者が詰めかけた。3連覇を目指す青学に対する注目度の高さがうかがえる。

 内山義英部長、原監督があいさつし、選手16名が自己紹介と希望区間を話していく。一番笑いを取ったのは「昨年は気胸で走れなくなりました。今年は大丈夫です。肺に穴開いていませんから」とコメントした村井だ。

 しかし、原監督を一番驚かせたのは、秋山雄飛(4年)のコメントだった。

「秋山隊長と呼ばれているので、切り込み隊長として1区を狙っています」。その答えに「初めて聞いた」と原監督はイスからずり落ちそうになった。

 秋山のことはずっと気になっていた。

 2連覇を達成した今年の箱根は3区で区間賞を取る走りで存在感を示した。春に4年生になって中心選手になっていくだろうと思われた。しかし、4月の金栗記念大会で5000m16分29秒、6月の個人学生選手権も16分28秒に終わるなど、トラックシーズンは調子もタイムもまったく上がらなかったのだ。

 夏季合宿こそ選抜合宿でメニューをこなしていたが、9月の妙高合宿ではヒザやハムストリングに不安を抱え、集団走でも遅れがちになった。9月の学内TT(5000m)は21分57秒でほとんどジョグ状態に終わり、出雲駅伝、全日本大学駅伝ともメンバー入りすることができなかった。

「6月の個人学生選手権で16分を出してしまい、そこで一度気持ちが切れてしまったんです。陸上を始めて以来、故障ではないのに、これだけ長く不調が続いて走れないということがなかったので正直、どうしていいのかわからなくなっていました」

 もともと繊細な神経の持ち主で、メンタルは強い方ではない。その落ち込みようは傍目からも深刻に見えたが、自ら腐りかけていたのも事実だ。その姿がチームにいい影響を与えるわけがない。

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