【月報・青学陸上部】コーラ、アイス、お菓子断ち。箱根までの調整法 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun


 アスリートの中には野菜嫌いやお菓子好きの人もいる。元プロサッカー選手の中田英寿のスナック菓子好きは有名だったし、リオ五輪の体操で個人総合金メダルを獲得した内村航平も無類のお菓子好きだ。

 コーラ効果なのか、小野田も今年の全日本大学駅伝で5区を走り、平地で区間賞を取る快走を見せた。平地もいけるところを示したが、原監督は「下りの能力がズバ抜けている」と箱根では6区の起用が濃厚だ。

「今回は村井(駿)さんがいるので、僕は平地でもいいかなと思うこともありました。でも、自分が他の区間を走ってタイムを稼ぐのと、下りを走ってタイムを稼ぐのとどっちがいいのか。それを考えると今は下りの方が稼げると思うので6区を走りたいですね。あの爽快感はホントすごいんで」

 小野田がライバル視する村井駿(4年)は2年の時に6区を走り、箱根初優勝に貢献している。今回も6区かと思いきや、「5区か10区」が希望区間だという。ただ、6区は山下りの特殊区間で誰でも走れるという区間ではない。果たしてどちらが6区を走るのか。

 その日の午後4時半、相模原の練習グラウンド。選手たちは大学構内1周630mを21本 走っていた。強化ジョグでしっかりと"足"を作るトレーニングだ。練習が終わり、原監督を軸に選手が輪を作った。

「今日はお疲れさまでした。暗い中、走って帰る時はくれぐれも車や自転車に気を付けるように。こっちが気にしていても相手がそうじゃない時もある。大事な時期なのでね」

 原監督の言葉が終わると選手たちは車の中に荷物を入れ、三々五々、寮に走って帰っていった。帰りがけ、小野田と目が合った。

「今日は、練習に来る前にコーラ飲んできました(笑)。今の調子ですか? 昨年の今ごろはすごくよかったんですけど、今は普通にいいって感じです。本番までに調子を上げていけるように頑張ります」

 小野田の高いランニングセンスは佐藤基之フィジカルコーチも認めている。「明日走るよ」と言われても、たぶん普通以上に走れるだろう。コーラとお菓子を抜いた飢餓状態で走る箱根は昨年よりも快走しそうだ。

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