全日本で光った早稲田大の「全員駅伝」。
箱根で打倒・青学大なるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Jiji photo

 だからこそ鈴木も、「今は序盤のエース区間を走ったふたりとも変わらない練習ができているし、その中で自分が最短区間に使われたのは、区間賞を求められてのこと。それを13秒差で逃したのは悔しいし、監督からは青学大と山梨学院大をどれだけ離せるかが大事と言われていて30秒差を目標にしていたので。それをできなかったのはまだ気持ちで負けているからだと思う」と悔しがっていた。

 今回、出雲で起用した井戸を外したことを相楽監督はこう言う。

「経験値があるので、もし使うなら6区だったが、前回の箱根の9区で区間賞を取ってからは、主要区間で他校のエースと戦えるようになってほしいと言っている。今回は調整が間に合わなかったが、彼は20kmに関して信頼をしているひとりなので、箱根に向けて準備をしてほしい。今年のチームは全員が似たような力を持っていることが、強さの要因でもあるので、主要区間以外でどれだけ貯金をつくれる選手を出せるかがカギだと思う」

 一色やニャイロと2区で対等に張り合える選手がまだいないという弱点はあるものの、全日本で青学大を自由にさせない走りをしたことで、早大は箱根駅伝での打倒・青学大の一番手に躍り出たと言えるだろう。

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