全日本大学駅伝、本命・青学大を「東海大1年生トリオ」が急襲する (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 不安要素はほとんどないが、あえて青山学院大の「弱点」を挙げるとすれば1区だ。下田は1万mで28分33秒77の好タイムを持ち、2月の東京マラソンを日本人2位の2時間11分34秒で走破した選手。スタミナは豊富だが、スピード面で若干の不安がある。5000mのベストは13分53秒96で、出雲駅伝では3区(8.5km)で5000m13分41秒28の記録を持つ東海大のルーキー・関颯人(せきはやと)に26秒差をつけられている。

 1区は自分のペースで走る区間ではないため、序盤からハイペースになると、思わぬ大差をつけられるリスクがある。出雲を見る限り、他大学が「自力」でレースを制すのは簡単ではないが、1区で青山学院大を大きく引き離すことができれば、優勝のチャンスが出てくる。

 では、アオガクを脅かすとしたらどの大学なのか。前回覇者の東洋大は、前回MVPの口町亮がエントリーから外れたため、連覇を狙うには駒不足だ。エース服部弾馬(はずま)と1万mで28分22秒97を持つ櫻岡駿を補欠登録しており、服部は1区か2区のどちらかに起用されるはず。連覇を目指すとしたら、服部の区間でトップを奪うしかないだろう。

 出雲2位の山梨学院大は、5区終了時で青山学院大にジャスト1分差をつけられた。全日本でも最終区間にドミニク・ニャイロが入ったが、7区までを担う日本人選手がもう少し踏ん張らないとアンカーでの逆転Vには至らない。1区には出雲と同じく上田健太が登録されている。

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