【月報・青学陸上部】原晋監督が勝利宣言「全日本駅伝、うちが独走するよ」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真  text & photo by Sato Shun

「監督が思い描いている指導、選手へのアプローチの仕方があって、僕らはそこに沿ってサポートしていかないといけないんです。例えば、速報値を出して練習の概要を掴めれば練習が終わった直後に選手に『おまえ良かったな』と評価できるじゃないですか。

 でも、速報値が出せず、翌朝の食事に言うのでは選手の受け取り方や次の練習へのモチベーションが違う、という監督の考えがあるんです。だから、速報のデータがないと監督が困ってしまう。今回は5km走の1kmずつのタイムが出せなかった。役割分担してやればできることですし、僕がマネージャーをどう動かすのかが、できていなかったので、そこは反省して解決策を考えていかないと」

 夏季の選抜合宿は人数が20名程度、マネージャーは3名だった。役割分担しつつ自ら動けば、仕事はできてしまうので問題は起きなかった。しかし、今回は全体の人数が多く、かつ練習が全日本組、部内、実業団、リハビリ組などに分かれている。自分の仕事だけではなく、全体を目配りして何かが足りないと思ったらすぐに指摘したり、人の割り振りをうまくしていかないと、どこかに穴が開いてしまう。それがタイムのことだっただけに原監督は指摘せずにはいられなかったのだ。

「もう一度、監督が求めるものにきちんと応えられるように、みんなで話し合ってやっていきます」

 戦っているのは選手だけではない。選手を支える側も露呈した問題を直視し、解決しながら前に進んでいかなければならない。常勝・青山を作り上げていくには監督と選手が要求するものとマネージャーの仕事に齟齬(そご)があってはならないのだ。

 合宿最終日、全日本組は16kmのビルドアップ走、他選手たちは30km走だ。気温12度、冷たい風が吹く中での厳しい練習だが、全日本組は軽快な走りを見せる。8kmまで3分30秒ペース、その後1km毎に5秒ずつ上げて、最後の1kmは3分で終えた。

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