箱根から世界へ。予選会で光った神奈川大エース・鈴木健吾の走り (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

「監督からは59分10秒と言われていたので、狙いとしては59分0~10秒でした。でも59分台と58分台では気持ちが違うので。チームのためにしっかりまとめるということを意識しながらも、タイムは狙ってはいました」

 前回の箱根では2区を走ったが、1区が15位と出遅れたこともあって淡々と走るだけでチーム順位も上げられず、区間14位に終わった。「凡走で終わっただけで、チームとしても手も足も出ない形で終わってしまって悔しかった。それに監督から17年のユニバーシアードを目指そうと言われてその思いもあったのですが、同学年の工藤有生(駒澤大)は前をガンガン追っていたので、『(自分は)ユニバーも口だけだな』という感じで無力感も感じました」と鈴木は言う。

 状態は万全とは言えないなか、箱根その悔しさを晴らすために、ユニバーシアード選考会になる今年3月の日本学生ハーフに出場し、1位とは1秒差、2位と同タイムの1時間03分08秒で3位になった。それを自信に練習に取り組み、5月の関東インカレ2部、1万mでは28分50秒13の自己新で3位。さらに7月のホクレンディスタンス北見大会では自己記録を28分30秒16まで伸ばし、日本学生ランキング8位(日本人4位)になる成長を見せている。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る