激戦必至の箱根駅伝予選会。今年はあの名門大学が敗退の危機に! (2ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News


 トップ通過の候補は、有力な留学生を擁する日本大と拓殖大だ。

 日本大は、昨年の予選会と今年6月に行なわれた全日本大学駅伝の関東学連選考会をトップで通過。トラック種目で数々のタイトルをさらっているパトリック・ワンブィ(2年)をはじめ、前回の予選会経験者が8人も残っていることも大きい。9月上旬の日本インカレ5000mでは、ワンブィと主将の石川颯真(4年)がワン・ツーを飾っており、Wエースが大きな貯金をもたらす可能性は高い。

 拓殖大も、前回個人総合2位のワークナー・デレセ(2年)に安定感が増しており、主将の宇田朋史(4年)、馬場祐輔(2年)ら日本人選手も充実。ロードに滅法強いチームだが、今年は1万mで争われた全日本選考会を4位で突破するなど、トラックでも結果を残している。

 ほかにも、國學院大、大東文化大、神奈川大、城西大、明治大の5校は「通過濃厚」と見ていい。

 國學院大は前回の予選会でまさかの敗退となったが、今季は全日本選考会を6位で突破するなどチームを立て直してきた。選手層は厚く、予選会の戦いに不安は少ない。大東文化大も全日本選考会を8位で通過。トラックの持ちタイム以上に粘り強さを発揮するチームで、今回も堅実なレース運びを見せるだろう。

 予選会の走り方を熟知している神奈川大は、エース鈴木健吾(4年)がタイムを稼ぎ、ほかの選手は手堅くレースを進めるはずだ。城西大は前回の箱根駅伝で総合12位。そのチームから卒業したのは2人だけで、総合力は高い。明治大は藪下響大(4年)、坂口裕之(2年)ら有力選手がそろい、トラックの持ちタイムは予選会トップクラス。8年ぶりの予選会に戸惑うかもしれないが、戦力的には余裕がある。

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