【月報・青学陸上部】まずは出雲駅伝へ、選手たちのギアが上がった (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun  photo by AFLO

 今季に限らず、暑さは田村和にとって鬼門である。2年の時は、ちょっと蒸し暑いなと思うだけでナーバスになり、気持ち的に落ち込んでいた。また毎年、夏季合宿では暑さで倒れていた。それではいい走りができないし、チームに迷惑をかけてしまう......田村和は暑さの克服方法を考えた。

「今年は気持ちの部分、メンタルから暑さを克服していこうと思ったんです。暑くて汗が出ても『もっとやれるよ』と思って、気持ちを強くもって走るようにしています。でも、最初の夏合宿で"距離"は走れたんですが、暑さにやられて遅れてしまって......。お盆休みの時に実家(山口)に帰って37℃の暑さの中、1時間ぐらい走っていました。御嶽合宿は全日本インカレを目指して、ピークにもっていかないといけないので倒れるわけにはいかないですし、実家で暑さに慣れておけば、御嶽は高地で涼しいので全部の練習をこなせるかなって思ったんです」

 御嶽合宿では練習をほぼ順調にこなし、全日本インカレでは6位ながら、まずまずのレースができた。原監督も「6位はまぁまぁじゃないかな。疲れとる中で、これだけ走れれば秋はもっと走れるようになる」と、手応えを感じているようだった。

 田村和も「やれる」感覚をつかんでいた。

「おたふく風邪で倒れてうまくいかない時もありましたけど、夏の1次合宿、御嶽合宿と走り込み中心の練習でしっかりと走れている感があって、そこは自信になっています。妙高での3次合宿ではスピードを上げる練習が入ってくるので、そこでしっかりと練習をやって10km未満のスピードを意識していけば、全体のバランスが整っていい状態で出雲にいけると思います」

 視線はすでに出雲駅伝(10月10日)に向いている。昨年は夏季合宿で倒れてしまい、出雲駅伝は出走できなかった。それだけに今年に賭ける思いは強い。

「出雲に出て、チームに貢献したいですね。個人的には昨年、久保田(和真・現九電工)さんが走った3区(8.5km)を狙っています。そこをしっかり走って久保田さん以上の記録を残したいですね。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る