「末續世代」最後の現役。棒高跳・澤野大地がリオ入賞で伝えたもの (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

「今でも一緒に頑張ってきた末續世代の仲間と会うとうれしいし、彼らは絶対に僕のことを応援してくれていると思うから、それに応えるためにもまだ競技を続けていきたいですね。それに何よりも今は、体中痛いところはひとつもないし調子もいい。ここで5m65を跳べなくて悔しいと思ったのも、僕自身には大きな収穫だったと思います」

 日本陸上界の一時代を担った最後のひとりとして、後進の選手に何かを伝えていくという義務もある。彼はそれを今、強く意識し始めているという。

「04年アテネ五輪と08年北京五輪の時は、ひとりで出場したので、ずっと複数選手で世界大会に行きたいという思いがありました。それが09年世界選手権で叶い、13年世界選手権に続いて今回は、五輪では64年東京五輪以来のフルエントリーができたのはすごくうれしかったですね。今回出場した山本聖途や荻田大樹のほかにも、大学生や高校生でも強い選手がいるので、彼らの力にちょっとでもなって、見本になれるようにしっかりやるべきことをやっていきたいと思っています」

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