「末續世代」最後の現役。棒高跳・澤野大地がリオ入賞で伝えたもの (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

「入賞は5m65だけど、メダルに絡むのは5m85からだなと思っていました。僕も今季は5m75を跳んでいるので、もうワンランク上げれば行けると思ったし、ポールもワンランク上の硬さのものを使えたので『いけるかな』と思っていました。失敗しての入賞だったから本当に『やった!』という感覚はなくて......。でも自分としては五輪で初めての入賞だし、日本人としては52年ヘルシンキ大会の沢田文吉さん以来というので、それは素直に喜びたいと思います」

 こう話す澤野は01年頃から08年頃にかけて、日本の陸上を大きく進化させた"末續慎吾世代"のひとりで、現役の日本代表クラスに唯一残っている選手だ。その世代には200m日本記録保持者の末續のほか、日本記録保持者として現在も名前を連ねる醍醐直幸(男子走高跳)や池田久美子(女子走幅跳)、森千夏(女子砲丸投)らがいた。

「今回出場していた選手の中でも僕は最年長でしたからね。4位になったサム・ケンドリクス(アメリカ)のお父さんからは『アンクル(おじさん)大地』と言われました。でも今回の結果で『まだ大地がいるんだ』というのを、世界の人にも示せたと思います」と明るく笑う。

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