「末續世代」最後の現役。棒高跳・澤野大地がリオ入賞で伝えたもの (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 前回のロンドン大会には出場できなかったが、澤野にとってはアテネ、北京に次ぐ3回目の五輪。今回は普段の跳躍練習をしているような感覚で競技をし、東京で生活しているような日常感覚のままで試合の日を迎えられたという。

「あえてそうした訳ではないのに、不思議と五輪の前からずっとそんな感じで。予選も決勝も五輪という感覚がなく、何か違うところで普通の試合をしている感じでした。『ああ、五輪か』と感じたのは、競技を終えて歩いているときでしたね。色んな国のお客さんたちがみんな拍手をして『おめでとう』というような感じで声をかけてくれて。それがすごくうれしくて、幸せを噛みしめていました」

 最初の5m50を1発で跳んだあとは、5m60に挑戦。しかし、度重なる中断でリズムを崩した選手たちは、ポロポロと高さを落とし始めた。

 そんな中での澤野の跳躍は、身体は十分に上がったものの、太股と脇腹がバーに触れてしまい、バーが落ちて失敗。記録は伸ばせなかったが、7位タイで入賞を果たした。

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