メダルどころか惨敗の女子マラソン。できることはなかったのか? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 ともに20km前後で離されてしまったが、その遠因のひとつに、その前の段階の8km過ぎで、集団の中での位置取りが悪く、対応できずに離されたことが挙げられる。結果、そこから先頭集団に再び追いつこうと脚を使ったことで、余力をなくしてしまったのだ。

 レースが本格的に動いたのは35km過ぎの給水から。名古屋ウイメンズマラソンでもお馴染みのユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)が仕掛けると、先頭集団はジェミマ・スムゴング(ケニア)とマレ・ディババ(エチオピア)の3人に絞られ、最後はスムゴングが逃げ切って2時間24分04秒で優勝。キルワが9秒差で2位、ディババが26秒差で3位という結果になった。

 そんな中で日本勢は、福士の14位が最高で2時間29分53秒。田中は2時間31分12秒で19位になり、伊藤舞は2時間37分37秒で46位と、惨敗といっていい結果になった。

 ただ注目すべきは、山下監督が「怖いと思っていた」というアメリカ勢が、予想以上に結果を残したことだ。シャレーン・フラナガンの6位を最高に、途中先頭を引っ張り、最後はひとりになっても粘ったリンデンが7位。27km手前まで先頭集団にいたエイミー・クラッグが10位になっている。

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