【月報・青学陸上部】いざ夏合宿へ。
充実の記録会で、それぞれの想い

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

「僕には実績もなかったですし、夏合宿も故障で詰め切れていなかった。悔しいですけど、先輩(渡邊)の力が勝っていました。

 今年はアンカーもいいのですが、目標は1区です。独走を求められるタイプではないですし、トップに離れないで食らい付いていくのが自分の持ち味だと思うんで。そうして2区の一色にうまくつなぎたい。そのためにも5000mでは一色を倒すぐらいの気持ちで取り組んでいかないと。それが実現できればチーム力の底上げになるし、優勝にもつながると思います。とにかく1区を走るためにも、故障しないように最後のシーズンやり遂げたいです」

 茂木がそう話し終えると、ちょうどタイミングよく安藤キャプテンの「集合」の声がかかった。原監督を軸に大きな輪ができた。

「これで一区切りしたので、次は夏合宿。1年生は上級生にこうしたことが行なわれるというのを部屋でレクチャーを受けること。それを頭に入れて合宿で体に落とし込んでいきます。

 これから夏合宿までの間も非常に重要です。記録会も何もないから、腹筋、背筋、青トレだけやっていればいいということだけじゃ、秋にいい記録は出ません。夏合宿から走るんじゃなく、夏合宿の準備を今からしないといけない。走るベースと流れをしっかりと作ってやっていきましょう。

 今日は自己ベストが5人かな。いいレースができたと思います。お疲れさまでした」

「した~」

 全選手が礼をして、解散した。原監督がいうように夏合宿前の最後の記録会でシーズンベストが8人、自己ベスト更新が5人も出た。

「まぁ、上半期の締めとしては上々でしょう」
 
 原監督はにこやかな笑顔を浮かべて、そう言った。その表情は今この時点で、これだけ走れていれば秋はもっとよくなる、という手応えと自信に満ちていた。

 いよいよ、8月3日から陸上部部員全員参加の夏季強化合宿が始まる。それは10月の出雲駅伝に向けて、暑い夏のサバイバルレースがスタートすることを意味する。

(つづく)

■陸上 記事一覧>>

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る