200m日本新の福島千里に聞く「3度目の五輪、リオで何を狙うのか」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 気持ちをしっかりと切り替えて最終日を迎えた福島は、レース前のウォーミングアップの動きもよく、「このくらいで行けるレースができればいいな」という感じだったという。気象条件もがらりと変わって爽やかに晴れわたった。すべてがいい方向へ向かい、結果、日本記録更新につながった。

「100mも雨だから記録が出ないと思っていたわけではなかったし、失敗したから出なかっただけで......。雨だからとか晴れたからではなく、どんな条件でもいい方向に変えてやろうと思っていました。ただ200mは今年3本目で、スイスでもよかったし、前日の予選もよかったから。今シーズンは練習も積んできたので、200mに関しては距離的な不安もなくレースができていると思うし、冬期には距離も踏んで250mもやったので、積極的に行っても怖くなかったですね。ただ、記録的にはやっぱりキリのいい22秒中盤の5~6が欲しかったので、0秒01の更新は嬉しかったけど驚きは少なかったです」

 ただ、この結果でずっとモヤモヤとしていた気持ちがすっきりしたのは確かだ。トレーニングはうまくいっているという手応えを感じていただけに、これで自信を手に入れ、リオデジャネイロ五輪に向かうことができる。

「前のロンドン五輪の時はその前の年まではよかったけど、大事な年にうまくいかなくて、結果的に点と点になっていたと思います。でもそれからの4年はいろんなことをやってきて、11秒3しか出ないシーズンもあったけど、そういう経験をしたからこそ去年あたりからトレーニングを絞れたというか、今必要なものが何なのかというのをしっかり選んでやれるようになっているので。それが線としてつながってきていると思います」

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