リオ五輪陸上で最もメダル有望。「競歩トリオ」が語るチーム日本の戦略 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 梁川剛●写真 photo by Yanagawa Go

――今年の日本選手権は雨と強風の中のレースで記録は伸びなかったものの、昨年の世界ランキングは荒井選手が2位で谷井選手は3位、森岡選手は11位で今年のランキングと比較しても上位ですが、リオ五輪の戦いは?

谷井 去年の世界選手権と同じくらいの気象条件なら、優勝は3時間38分くらいで銅メダルが3時間40分くらいだと予想しています。3時間30分台の記録を持っている選手が4人いて、彼らがレースを作っていくと思うから、自分の状況と相談しながらどう対応するかを判断しなければいけない。何でもイケイケだと途中棄権の可能性もあるし......。ただ、3人とも少なくとも入賞を狙える集団の中にはいると思うので、そこからメダルの見える位置につけられたらと思います。

――その4人というのは世界記録保持者のヨアン・ディニ(フランス)と、昨年世界選手権優勝のマティ・トート(スロバキア)に2位のジャレド・タレント(オーストラリア)、今年5月のW杯優勝のアレックス・シュバーツァー(イタリア)ですね。

森岡 トートとシュバーツァーは前で行くのが得意なタイプですね。ディニもけっこう最初から行くタイプだけど、不安点は途中で消えることが多い選手だから......。

谷井 最初から行かれたときにつくかどうかは状況次第だけど、ある意味ロンドン五輪銀メダル(その後、金のキルジャプキンはメダル剥奪)のタレントの行動が僕らには重要になるかもしれませんね。去年の世界選手権でも途中から行って2位になっているので。

森岡 メダル争いをするならタレントの動きを見て判断すれば、間違いなく上位に行くでしょうね。

荒井 そういう面では僕たちは3人いるので、みんなの力を合わせて戦っていきたいですね。2人が目に入るところにいるだけで気持ちも違うし、一緒にやっているから「このペースでいいんだな」という安心感を持てるので。

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