日本トライアスロン初の金メダルへ。上田藍の「超ポジティブ思考」

  • 和田哲也●文・写真 text&photo by Wada Tetsuya

金メダルを取った瞬間のイメージを絵で表現した上田藍金メダルを取った瞬間のイメージを絵で表現した上田藍 5月19日、日本トライアスロン連合(JTU)が都内で記者会見を開き、リオ五輪を戦う日本代表候補選手を発表した。候補とあるが、事実上の代表決定。3つの出場枠を得た女子選手のなかで最年長、32歳で選出された上田藍(ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)は、自身3度目となる五輪への抱負をこう宣言した。

「リオでは金メダルを取ります」

 現実を見れば、トライアスロンが2000年のシドニー五輪で正式種目となってから、日本人選手は金メダルどころか表彰台にすら手が届いていない。今回JTUが掲げる目標も「8位入賞」。しかし、上田のリオに向けての仕上がり具合を見ると、「日本人初の優勝」も絵空事ではないように思えてくる。

 昨年9月にシカゴで行なわれた世界トライアスロンシリーズ(WTS)グランドファイナルで、順位は8位ながら得意とするランの自己ベスト、33分51をマーク。今月のWTS横浜大会では、見事に3位表彰台を獲得している。この横浜のレースが、ロンドン後の4年でベストレースだったと上田は振り返る。

「今までは、スイムで開いた差をバイクの後半で埋める展開が多かったんです。最後のランに向けてほかの選手の足がどれだけ残っているか、調子のいい選手の顔色はどうかというのをチェックするのが難しかったんですけど、横浜ではそれを見ることができました。五輪直前の大会で表彰台に上れたのが、一歩ずつ階段を登ってきた充実感になっています」

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