マラソンより複雑?
箱根のスターがひしめく陸上長距離リオ代表争い

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 残りの代表は、日本選手権終了後の会議で以下の1から4の順に審査され、6月27日の理事会で正式に決定する。

1 派遣設定記録突破+日本選手権8位以内
2 参加標準記録突破+日本選手権3位以内
3 参加標準記録突破+日本GPの日本人1位(※日本選手権8位以内が条件)
4 参加標準記録突破+強化委員会推薦競技者(※日本選手権出場は問わない)

 5000mは、参加標準記録を突破している大迫、鎧坂、村山紘は日本選手権で3位以内に入ると代表を掴むことになる。たとえ日本選手権で3位以内に入ることができなくても、新たに参加標準記録を突破する選手が現れない限り、この3名が3または4の基準で選ばれる可能性が高い。

 1万mは少々複雑だ。派遣設定記録を突破している村山紘と鎧坂は日本選手権で8位以内に入ればいいため、ハードルは低い。しかし、ほかの参加標準記録突破者9人が3位以内を目指して奮起すれば、村山紘と鎧坂のどちらか、もしくは両方が日本選手権で8位に入れないことも十分にありえる。

 日本選手権は勝負優先のレースなうえに気温も高く、参加標準記録を突破するのは難しい。そのため、参加標準記録にあと一歩届かないでいる選手たちが、日本GPの兵庫リレーカーニバル1万m(4月24日)と織田記念5000m(4月29日)、ゴールデンゲームズinのべおか(5月7日)に大量にエントリーしている。いきなり派遣設定記録を上回ることは厳しいが、参加標準記録突破を突破する選手は増えるだろう。

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