名古屋ウィメンズマラソンで福士加代子を脅かす存在は現れるか?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yonhap/AFLO

 昨年の名古屋は、当初のペースメーカーの設定が30kmまで5km16分55秒から17分05秒までとされていたが、実際には全体的に速めのペースで進むレース展開になった。

 その中で今回も出場するユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)が、ペースメーカーが離れた30kmからを16分37秒に上げて2時間22分08秒で優勝。30kmまでトップ集団についた前田が後半のハーフを、前半より30秒落ちるだけの1時間11分39秒でまとめて2時間22分台の記録を出したのだ。

 昨年のスタート時の天候は晴れで気温は13℃と高かった。これに対して今年の開催日は、現時点でのナゴヤドームがある名古屋市東区の天気予報は最高気温が12℃で曇り時々晴れ。昨年より遥かに条件が良くなる可能性が高い。こういった条件の面から見ると、今年もまた設定ペースより高速化することは十分に考えられる。逆に、設定通りに5kmを17分弱のペースで推移すれば、選手たちはかなり余裕を持って走れるため、前半より後半が速くなるレース展開となる可能性もあるのだ。

 そんな展開になった時に利点となるのは、昨年のレースでも後半の強さを見せたキルワがいることだ。彼女に少しでも食らいついていけば、後半の記録は当然上がる。

 キルワに爆発的なスパートをされると対応するのが困難になるが、昨年前田が30km以降はマリア・コノワロワ(ロシア・後にドーピング違反で記録取り消し)を目標にして走ったように、今回もバリレラ・ストラネオ(イタリア)などの目標にできそうな選手もいる。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る