びわ湖マラソンでキーマンとなるのは『ペースメーカー』川内優輝?

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato photo by AFLO

 佐々木は、終盤までトップ集団に食らいついたことでレース内容の評価も高く、代表入りは「確実」といっていいだろう。一方、東京で日本人トップになった高宮祐樹(ヤクルト)は、優勝したフェイサ・リレサ(エチオピア)に4分1秒の大差をつけられており、日本陸連の評価は低い。現場レベルでは、「東京から代表は出ないのでは?」と噂されるほどだ。

 日本陸連の酒井勝充(かつみ)強化副委員長は、男子代表の最大3枠について「保障するものではない」と明言。すべての枠を使い切らない案も浮上しているが、びわ湖から2名の選手が選ばれるだけの「環境」は整いつつある。

 東京で日本勢が不調に終わった原因は、トップ集団でレースを進められなかったことが大きい。ペースメーカーの走りが安定しなかったこともあり、日本人集団が序盤で外国勢に引き離されてしまった。

 東京のペースメーカーはすべて外国人ランナーだったが、びわ湖のペースメーカーは、マラソンで2時間6分台の記録を持つケニア人選手、設楽悠太(Honda)、圓井彰彦(マツダ)の3名が務める予定になっている。

 なかでも、設楽は昨夏の北京世界選手権1万m代表で、全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)では最長4区(22km)で2年連続区間賞(ともに区間新)を獲得している実力者。日本人ランナーはアフリカ勢と比べてペースメイクがうまいため、出場する選手にとっては走りやすいレース展開になるはずだ。

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