【東京マラソン】リオ五輪への切符をかけ、箱根駅伝の英雄たちがぶつかる

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato   photo by AFLO

 昨年7月に1万mで28分09秒02の自己ベストをマークすると、箱根2区では前年のタイムを28秒短縮。服部は記者会見に出席しなかったが、昨夏に取材した際には「2時間8分台から7分台くらいを狙うつもりで準備していきたい。『大学生だから、これぐらいでいいだろう』という考えはありません」と話していた。マラソンの学生記録は、藤原正和(Honda)が中央大4年時にびわ毎日マラソンで樹立した2時間8分12秒。服部がこの記録を上回る可能性は十分にある。

 日本勢はほかに、東京マラソンでサブ10(2時間10分切り)を達成している藤原新(ミキハウス)、松村康平(三菱日立パワーシステムズ長崎)、佐野広明(Honda)、五ヶ谷宏司(JR東日本)など有力選手が多数出場。1万m27分台のスピードを持つ宇賀地強と山本浩之のコニカミノルタコンビもリオ五輪選考に絡んでくるだろう。

 選手たちには、日本人トップを狙うだけではなく、世界で戦うことも意識してもらいたい。大会当日の気象条件で変更する場合もあるが、レースはキロ3分を少し切るペースで進み、中間点を「1時間2分30秒~1時間3分00秒」を目安に通過。そのスピードを維持し、30㎞までペースメーカーが引っ張る予定だ。

 グローバルスタンダードともいえる高速レースには、2時間3分13秒の自己ベストを持つエマニュエル・ムタイ(ケニア)、ロンドン五輪金メダルのスティーブン・キプロティチ(ウガンダ)ら2時間3~6分台のタイムを持つアフリカ勢が7人参戦する。

 順当ならトップは2時間5分台でフィニッシュを迎えるだろう。日本の“現役最速ランナー”と“若い力”がどんな化学変化を起こすのか。日本陸連が設けたリオ五輪の派遣設定記録は2時間6分30秒。世界と勝負するためにも、このタイムを追いかけてもらいたい。

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