「もう大失速しない」福士加代子をリオへ近づけた鬼のような練習

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 福士はもともと食が細かったため、内臓を強化するために食事量を増やすことが重要だと考えた。マラソン練習に入るとより多くの炭水化物が必要となるため、栄養士が食べやすさなどをいろいろ工夫してくれて、ご飯の量を通常の3倍くらい食べ続けた。

 レース当日の朝食も丼一杯のご飯を食べたという福士は、レース後も「まだお腹いっぱいですよ」と笑うほどだ。

 こうして準備が整い、本人もスタミナへの不安を軽減できていたことに加え、ペースメーカーが絶好のレースメイクをしてくれたことにより、今回の好結果が生まれた。

「やっと1番になれた」と喜ぶ福士は、レース後の記者会見でも「リオは金メダルを狙います」と明言。

「今回、足底が痛くなったと福士は言っていましたが、それは去年3回も疲労骨折をしたことと、膝から下の脚筋力をつけられなかったためだと思います。だからリオが決まれば、まず脚筋力の強化から始めたいですね。その後は私がもっと鬼のようになって彼女の潜在能力を引き出せるようにしなければいけないし、ラスト10kmまで行ってから、もう一度トラックの10000mのようなイメージをつくってスイッチが入れば、世界とも戦えるようになるんじゃないかなと思っているんです」(永山監督)

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