【箱根駅伝】39年ぶり完全V。ライバルが青学大の独走を許したわけ (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi photo by Yuya NAGASE/PHOTO KISHIMOTO

 駒大はその時点で1分50秒差の13位。大八木監督は「今年は来年勝負するための育成の年と考えていたので、3年の大塚祥平を5区に使ったし、2年の工藤有生と3年の中谷圭佑を2区と3区に使った。1区がうまく流れてあわよくば青学大か東洋大のどちらかを食えれば、とも考えていたが、1区で決まってからはメンツを保つための3番狙いに徹した」と、作戦を変更するしかなかった。

 東洋大も、酒井監督は「1区がハイペースになったら対応できるのは服部弾馬(3年)と上村しかいないという層の薄さもあったが、あそこまで離されるとは思っていなかった」と、想定外のスタートだったことを認めた。それでも2区の服部勇馬(4年)は区間賞の走りで青学大の一色恭志(3年)との差を31秒縮め、22秒差まで追い詰めて弟の弾馬に中継した。

「5区にはけっこう自信があったから、3区でトップに立てば往路は接戦でゴールできる。青学大の6区は1年生の小野田勇次で未知数な部分もあり、競る状況になれば力みも出てくるから、6区の口町亮(3年)と7区の櫻岡駿(3年)で勝負できるかなと考えていた」と、酒井監督は言う。

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