【箱根駅伝】亜大優勝時の名将が、拓殖大でもサプライズを狙う (2ページ目)

  • 酒井政人●文・撮影 text&photo by Sakai Masato

 ユニフォームの色は変わったものの、岡田監督が指導するチームの"カラー"は変わらない。亜細亜大時代と同じように、距離からのアプローチで箱根駅伝を目指している。

「練習はウソをつかない。亜細亜大のときには、『あんな練習で強くなるのか?』と言われたこともありました。監督さんの指導に違いがあって当然だと思っています。私もレベルの高い選手がチームにたくさんいれば、よりレベルの高い練習をさせたいですよ。でも、入学してくる選手の走力が高くありません。だから、少しずつ力を蓄えていき、4年生のときには他校の選手と勝負できるように育てているんです。3~4年生で『戦力』になれるチームづくり。それを実現させるためには、『走り込み』しかありません」

 拓殖大は、現在4年生の「大学入学時5000m上位5人の平均タイム」は関東の有力大学で22位(14分56秒21)というレベルだった。そこから選手たちを徹底強化。それでも5000mと1万mの上位10名の平均タイムは箱根駅伝出場校のなかで最下位に近いが、岡田監督は自信を持っている。

 なぜなら、チームは「地獄の阿蘇合宿」でイメージ通りの練習を積むことができたからだ。20日間の阿蘇合宿だけで選手たちは800km以上を走り込み、8月の月間走行距離は1100kmを超えた。単純計算で、阿蘇では毎日フルマラソンに近い距離を走ったことになる。その後もチームは順調で、箱根の予選会を6位で突破した。上位通過した大学とのタイム差は少なく、箱根駅伝ではポイントとなる区間の選手も育っている。

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