それでもリオへ挑戦するのか。市民ランナー、川内優輝の揺れる心 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 今回の違和感は、2月に痛めたところより下の方だったという。「どうしてそんな症状が出たのか自分でもよく分からない」と川内は話すが、「もしかすると上尾では、5km15分ペースで走れていたけど、5kmから10kmにかけて14分54秒に上がった時のペースにまで対応できる力がなかったのかもしれない」と自分の走りを分析した。

 このレースで日本人3位以内に入れば、一応は五輪代表選考の対象には上がることになっていたが、川内はそこまで考えることができず、大塚に競り負けた。

 今回の福岡では、冷静に走った佐々木悟(旭化成)が2時間08分56秒で日本人最上位の3位になり、最低ラインの結果をクリアしたが、有力候補とは言い切れない状況だ。

 そんな中でも、川内がまだリオデジャネイロ五輪出場にこだわるなら、2月の東京マラソンか、3月のびわ湖毎日マラソンで走り、日本人3位以内に入った上で、日本陸連の派遣設定記録2時間06分30秒を突破するしかないという厳しい状況になった。

 川内は脚の状態を見ながら招待選手になっている12月20日の防府マラソンを走って、その後どうするかを決めると話した。

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