【箱根駅伝】5強のレース戦略と最終メンバーを読む (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

 往路勝負に徹する駒大だが、復路の控えにも上尾シティハーフでは自己新で6位と7位になった猪浦舜と大塚祥平がおり、層は厚い。前回8区を経験している大塚は当日変更の可能性が高いが、他の区間でアクシデントがあった場合も猪浦が控えている万全の態勢だ。2区までで流れに乗れば、そのまま突っ走ってしまいそうな雰囲気だ。

 それを追う早稲田は渡辺康幸監督が「中村(信一郎)で失敗したらしょうがない」と語るように、1区の出来で流れが決まるだろう。2区には予定通りに上尾シティハーフで優勝した高田康暉、3区に井戸浩貴と確実に走る選手を並べており、4区の当日変更がポイントになる。

 故障明けで状態が戻っているなら、前回同区間を走って区間2位の平和真だろうが、間に合わなければ光延誠か。僅差で集団走に持ち込まれることを予想して柳という手もある。とにかく4区までで順位を上げて勢いをつけ、5区の山本修平と6区の三浦雅裕で勝負、というパターンを狙っている。

 そこで先手を取れれば、8区と9区は当日変更の田口大貴、そして柳か光延で固めて逃げ切るという理想のパターンに持ち込める。

 その2校を追う東洋大は、1区の田口が駒大などのライバル校とそこそこの差で来るとすれば、2区の服部勇馬が期待通りの爆走をできるかどうかが、優勝戦線に踏みとどまるカギになる。その上で3区は各校のスピードランナーに服部弾馬で対抗させる。復路は当日変更で前回は8区と9区を走っている高久龍と上村和生を入れて勝負に出るだろう。7区の勝負を重視するなら、そこに高久を起用することになる。

 1区の横手起用で勝負をする明大は、5区の文元慧までズラリと主力を並べて往路勝負に徹する。当日変更は復路に上尾シティハーフで1時間03分06秒の自己新を出している牟田祐樹が入ってくる程度だろう。一方、「当日4人を入れ換える」と原監督が語っている青学大は、最後まで読めない部分も多い。

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