【箱根駅伝】充実の青学大と明大。優勝候補に名乗り! (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 ただ、上位争いの中で懸念材料となりそうなのが、5000mで13分28秒79の記録を持つスピードランナーの八木沢元樹(4年)と、1万m28分台の記録を持ち、前回9区を走った前野貴行(4年)が間に合わなかったこと。そして5区に1時間20分前後で走れる選手を用意できているのかどうかという点だ。

“最強世代”と称される4年生を中心に、人材は豊富だ。エースの大六野と主将の有村優樹(4年)、文元慧(4年)、松井智靖(4年)に加え、昨年は期待されながら故障で低迷していた横手健(3年)が復調、1万mの記録を28分38秒73に伸ばしている。また木村慎(3年)も今年は1万mの記録を28分50秒47にし、全日本ではエース区間の2区で冷静に走り、チーム順位を17位から8位にあげる健闘を見せた。主力と目される前回までの箱根経験者は安定している。

 箱根未経験組でも、山田速人(4年)が今年は1万mで28分35秒76を出している。また7月に28分43秒20の自己新を出したスピード型の牟田祐樹(3年)は、11月の上尾ハーフでは1時間03分06秒の自己新で12位となり、長い距離にも適応しつつあることを証明した。

「5000mの平均タイムがいいので、うちはスピード型と思われているけど、長い距離の練習をやっている中でたまたま5000mの記録がでているだけ。それが駅伝につながってなかった面もあったが、力まないで走れば他大学のエースと競り合える力はある。全日本で明大史上最高の2位になったことを自信にできれば、箱根は面白くなる。主力2人(八木沢と前野)が抜けたけど、それを補える戦力は揃っている」

 こう語る西弘美監督は、5区と6区の起用については口を濁した。前回、志願して5区を走った横手は、11月の千葉国際駅伝に日本学生選抜の一員として出場した際、「僕が山を走ることはないと思うから、平地の主要区間で勝負したい」と話していた。西監督としても5区を走れる選手の目処はつけているだろう。

 そこにつなぐ平地には自信があるため、区間配置はオーソドックスなものになりそうだ。1区は、11月の全日本こそ失敗したが、13年に区間2位になり前回は区間4位だったスペシャリストの文元が有力。2区は、過去2年連続で走っていて、今年11月の全日本でも最長区間8区で区間賞を獲得した大六野が「1時間07分30秒では走りたい」と自信を深めている。

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