【駅伝】駒大4連覇。エースの1区起用は箱根にも影響 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

「でもあの時点では5区に1年生の工藤有生がいたから安心はできませんでした。彼が区間2位で走ってくれ、6区の西山勇介(2年)と7区の黒川翔矢(4年)がしっかりつないでくれたので、そこでやっと安心できました。湿度が高かったので、7区終了時点で2年前の大会記録の通過タイムを上回っていたのは驚いたけど、そこで大会記録を狙うのではなく、アンカーの馬場翔太(3年)には安全運転で入らせました」(大八木監督)

 馬場は、前回の箱根の5区を1時間19分54秒の区間3位で走って以来、着実に安定感を増し、5000mでも13分台を出して成長している選手。7区終了時点で2位に上がった青学大との3分50秒差を背に、区間5位の59分47秒ながら、あぶなげない走りで優勝を決めた。

 大八木監督は「東洋大も、エースの服部勇馬が1区か2区にくるだろうと思ったけど、うちとしては思っていた通りの展開になりました。1区の村山もペースが遅いときに行く勇気を出せなかったけど、ライバルを離すという仕事は確実にやってくれたし、5区に入れた1年生の工藤も去年の中谷よりいいタイムで走っていますから」と笑顔を見せた。

 だが箱根をにらめば、東洋大も今回の4位という悔しさをバネに状態を上げてくるはずだ。「試すために起用した3区、5区、6区では、最後の3kmで駒大に30秒やられている。これから1カ月半どう走り込んで、どう気持ちを作っていくかが勝負」と、酒井監督は語る。

 また7位に終わって8年ぶりにシード権(全日本では6位までに与えられる)を失った早大も、箱根では最強の5区候補・山本修平(4年)と6区候補・三浦雅裕(3年)がいる。その山本は今回、4区で中村に8秒差の区間2位と好調。三浦も箱根の6区を58分台前半で確実に走ることができるはずで、このふたりがいる自信を背景に、他の区間の選手も余裕を持って走れるはずだ。

 さらに今回2位の明大や3位の青学大も、この結果に自信を深めており、大混戦も予想される。

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