【続・東京マラソンへの道】中島彩「日本と異なる韓国ランニング事情」 (2ページ目)

  • 中島彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

磐浦漢江公園の入り口。ハングル語は読めません(笑)磐浦漢江公園の入り口。ハングル語は読めません(笑) 今回、オリンピック公園にはソウル国際マラソンに参加する友だち数人と訪れたので、私たちはジョギングコースで走っている地元ランナーの迷惑にならないよう、2列になって走り始めました。ランニング好きのメンバーと複数で走るときは、コンパクトに並んで走ることって多いですよね? でも、韓国のランニング事情に詳しい方に話を聞くと、それは珍しい光景なんですって。韓国の市民ランナーは、みんなで揃って走ることは少ないのだそうです。たしかに周囲を見てみると、みなさん、自分のペースでひとり黙々と走っていました。これもひとつの文化の違いなんでしょうか? 勝手に想像して間違っていたらすみません......。

☆サイクリングコースの長さにビックリ!

 そしてソウル国際マラソンを走った2日後には、ソウルに住むランナーの方にオススメしてもらったコースも走ってみましたよ。出向いた場所は、ソウル市内に流れる大河川・漢江(ハンガン)沿いにある「磐浦(パンポ)漢江公園」です。ここでも、ビックリすることがありました。公園内の川沿いにはサイクリングコースが完備されているのですが、なんとこのコースは韓国を南北に縦走できるほどの長さなんです! ソウルから釜山(プサン)まで開通しており、その距離は約702キロ! すごいですよね! サイクリングコースを見てみると、スポーツタイプの自転車に乗った人々が大勢いました。コースの脇を走ることができたので、私はさっそく川沿いを走ってみることに。すると、ピンクウェアをまとった女性ランナー(私)が相当派手だったのか、かなり注目を集めましたよ(笑)。

 川沿いの道は平坦で走りやすく、どんどん足が進むコースでした。右手にはソウルの繁華街・明洞(ミョンドン)、左手には近年急ピッチで開発が進んでいるビジネス街・江南(カンナム)と、ソウルのさまざまな顔を感じることのできる絶景コースでしたよ。また、コースを走っていると、筋トレマシンやストレッチマシンが無料で使えるスペースもありました。運動前のアップ時や、運動を終えてからのクールダウンに最適です。さすが、700キロにおよぶ一大サイクリングコース! 歩行者の邪魔にならないような市民ランナー用のコースが日本でも国家プロジェクトで作られないかなと思いました。

 こんなにも施設が完備されているのなら、韓国でもランニングブームが来ているのでは? そう思ってソウル在住のランナーの方に聞いたところ、「排気ガスなどの影響で空気がにごっている日もあるから、まだ日本のようなランニングブームには発展していない」とのこと。私は走ることが大好きなので、韓国にもランニングブームが来ればいいなと思ったソウルの1日でした。

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