【続・東京マラソンへの道】中島彩「箱根駅伝10区を直前試走!」 (2ページ目)

  • 中島彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

 さて、私は10区のスタート地点である鶴見中継所、鶴見市場駅の交番前に14時ごろ到着。いざ現地に行ってみると、「交通規制」「ここで立ち止まらないでください!」という注意書きの看板が! 当日はランナーを応援するために多くの人が集まるんだろうな〜と思いながら、私は誰もいない鶴見中継所からひっそりとスタートしました。

 10区は国道15号線をひたすらまっすぐ走ります。まずは川崎を越えて六郷橋へ。六郷橋という名称は、箱根駅伝の中継でもよく耳にしますよね! 往路の1区では六郷橋の下り坂で順位の変動が多く見られるので、重要なポイントと言われています。その後、蒲田、大森を通過して、私はちょっとひと休み。箱根駅伝ではあり得ないことですが、国道沿いのコンビニで肉まんを購入して食べました(笑)。コンビニには「箱根駅伝記念セール!」と書かれた特売の品々がいっぱいありましたよ! 10区のコースとなる国道15号線のお店の人たちにとっても、「箱根駅伝は年に一度のお祭り」なんだなぁと実感。その後、再び走り始めたのですが、コースの沿道にはコンビニ、コンビニ、コンビニ......。あまりにもコンビニが多かったので、私は「今度はアイスが食べたいなぁ」と思いながら走りました。こんなに食べ物のことばかり考えて走っている駅伝選手はいないでしょうね(笑)。

 私が走った日は大晦日のせいか、国道15号線はとっても静かでした。本番は多くの声援に包まれて、さぞ華やかなのでしょう。大型トラックが私の走っているそばを豪快に通り過ぎ、身体が排気ガスまみれになったときは、さすがにちょっと寂しさを感じました......(笑)。クルマを通行止めにして、このコースの真ん中を走れたら、とっても気持ちいいでしょうね。その環境を整えてくれる警察官や、交通規制に協力する関係者の想いを想像すると、箱根駅伝への愛を改めて感じます。

☆品川から大手町へ。そして感動のゴール!

 そして私は、品川を通過して、増上寺へ。このあたりは東京マラソンで走った土地勘のあるコースなので、気持ちも落ち着きます。さらに御成門を通過すれば残り約5キロとなり、テンションも上がってきてペースアップ。まるで気分は、10区を走っている駅伝選手です(笑)。しかし......、このあたりはビル風が強い! そういえば、東京マラソンを走ったときも同じことを感じていました。さらに、ビルの窓ガラスに反射する太陽の光も眩しく、体力が少しずつ奪われていくのです。私は、「がんばれ! 後方からランナーが来ているから抜かれるな!」と、沿道の声を勝手にイメージしながら走りましたよ(笑)。

 そして、日比谷通りに入ると、皇居が見えてきました。大晦日の夕方とあって、皇居ランナーはほとんどいません。ラストスパートだと思い、京橋、日本橋と通過し、JRのガード下を潜ると、テレビでよく観る大手町のラストの直線が目に飛び込んできました。ようやくゴールの読売新聞社前です。この先にゴールテープがかかっているんだろうなぁと想像しながら、ついにゴール!

 箱根駅伝10区、私は3時間弱で23.1キロを走り切りました! ふつふつと感動が沸き上がってきたので、ゴール前で興奮してしまいました。すると、箱根駅伝の警備隊の人に声をかけられ、「このあたりは封鎖しますので、あちらからお帰りください」と案内を受けることに。本番2日前ですが、ファンの方の場所取りもすごいのでしょうね。箱根駅伝の人気の高さを改めて感じました。

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