【箱根駅伝】日体大、東洋大、駒大。3強のレース戦略を読み解く (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

「復路にも主力を1~2枚置かなければ勝てない」と語っていた酒井監督だが、駒大の往路重視を予想し、5区で勝負するという作戦を取った。東洋大優勝のカギは、5区で啓太がどんな走りをみせるかにかかっている。

 一方、連覇を狙う日体大は、予想通り5区に服部を起用。2年生エースの山中秀仁と前回1区7位の勝亦祐太を補欠に回したのは、ライバル校の出方を見ておきたかったからだろう。だが早大が大迫を起用したことで、1区がハイペースになるのは必至。当初の予定通り、山中の1区起用になりそうだ。

 1区・山中、2区・本田は、突っ走った時の駒大には遅れをとるかもしれないが、東洋大とは並んでいけるだけの力を持っている。復路には6区の鈴木悠介を筆頭に信頼できる選手を並べられただけに、当日に勝亦が入ると予想される3区と4区がどう凌ぐかが勝負のポイントになる。もちろん5区の服部と東洋大の設楽啓太の対決にも注目だ。

 3強以外に目を向けると、まずは早大が1区に起用した大迫がどんなレース展開に持ち込むかに注目。年末までアメリカで練習しており、体調がどこまで仕上がっているかはわからないが、渡辺康幸監督が大迫を1区に起用したのは、5区のエースである山本修平(3年)が故障で出場できるかできないかわからない状態だからだろう。もし山本が万全なら、他のメンバーで1区、2区はそれなりの順位を維持させ、3区の大迫でジャンプアップした勢いを、4区、5区につなげようとしたはずだ。

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