【箱根駅伝】連覇を狙う日体大。勝負は5区・服部にどうタスキをつなぐか (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 ところが12月になると、別府監督が「本人もその気持ちを持っていて、山を登らせれば服部に負けないくらいに走れるし、服部自身も他大学の選手より一番怖い存在だと言っている」と語っていた2年生の山中秀仁が、「上りの練習では服部さんと同等くらいで走れる。ということは箱根で5区を走っても、同じくらいかそれ以上の走りができるはず」と、5区への意欲を口にするようになった。実際に起用されるかどうかは別にして、そんなチーム内の競争意識はプラスに作用してくるはずだ。

 別府監督は5区のアドバンテージをより生かすために、1区と2区、3区と4区をセットで考えているという。

 そんな構想を練る上でも、別府監督を喜ばせたのは、夏場は故障で走れなかった前回2区区間4位の本田匠(4年)の復活だ。11月の全日本と同じ時期、数名の選手を付けて合宿を張らせ、30㎞を数本、走れるまでに戻ってきた。さらにその後の上尾シティーハーフマラソンでは1時間02分57秒で14位と、完全復活をアピールしている。

 1区は全日本で勝亦祐太(2年)を試した。だが「安定感が持ち味」という勝亦は、駒大の中村匠吾(3年)が作るハイペースの展開から早々と脱落。トップの中村に1分51秒差の10位だった。そのため「箱根でも中村が来るはず」と読む別府監督は、勝亦ではなく、本田と、今年は自己記録を連発し、1万mで27分台を出せる力を持つと評価する山中のふたりを候補と考えている。どちらがどの区間を走るかはわからないが、彼らを1区と2区に配置して、主力で先手を取ろうとしてくると思われる駒大と東洋大に、差をつけられないような体制をとりたいと考えているのだ。

 同様に5区とセットと考える6区には、前回59分33秒で走った鈴木悠介(4年)がおり、今年は5000m、1万mともに自己ベストを更新と力をつけている。また9区には、全日本では気持ちの弱さが出てブレーキになったものの、その後の上尾シティーハーフで1位と2秒差の4位になった矢野がしっかり使える状況だ。

 別府監督は、「主要となる1・2区と5・6区、9区が決まっているのは楽。それを柱にして単純な考えで配置ができる」と語る。

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