【箱根駅伝】日体大、東洋大、駒大の「3強」を崩すダークホースはどこだ

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 1区に1年生を使えれば、復路は前回も出場している柳や志方文典(4年)、田中鴻佑(4年)、田口大貴(3年)に加え、全日本で7区区間3位で、上尾シティハーフでも1時間02分59秒で17位になった井戸浩貴(1年)と、枚数はそろっている。渡辺監督の構想通りのオーダーが組めれば、3強の一角を崩すことも可能になる。

 一方、上位10名の5000m自己ベストの平均タイムが13分49秒68と、出場校中トップの明治大学も、そのスピードを活かせれば上位に食い込む可能性を持っているチームだ。

 前回は7位に沈んだが、その要因は9区と10区のブレーキだった。能力の高さは、8区までは東洋大と2位争いをしていたことでも証明されている。

 そのメンバーが8人残っているのが明大の強みでもある。西弘美監督は「エースを育てきれていないのがうちの弱み。だから金太郎飴のようにしぶとくいくしかないが、各選手とも積極的なレースをして、他校の選手を利用して自分の能力を引き出せれば面白い」と、各選手に殻を破るような走りを期待している。

 個々の選手をみれば、前回1区2位だった文元慧(3年)は、全日本でも1区で駒大の中村に51秒差の4位とまずまずの結果を出し、前回2区だったエース格の大六野秀畝(3年)も、全日本では最長区間の8区で、駒大のエース窪田忍(4年)に18秒差の区間4位と健闘、チーム順位を3位に上げている。

さらに今年5000mで13分28秒79を出したスピードランナーの八木沢元樹(3年)が3区か4区で爆発すれば、いい流れを作れそうだ。

 ただし、山下りの6区には前回区間2位で走った廣瀬大貴(4年)がいるものの、山上りの5区は大江啓貴が卒業して不在になっている。復路にも1万m28分台の選手をずらりと並べられる状況だけに、5区さえうまくしのげば上位進出は十分あり得る。

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