【駅伝】二冠達成。箱根に向けて駒大に死角はあるか

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 田中伸弥●写真 photo by Tanaka Shinya

 また早大も、1区で期待の柳利幸(2年)がトップに2分41秒差の区間15位と失速し、2区の大迫も区間賞は獲得しながらも本来の走りを見せられなかったが、4区の山本修平以降の頑張りで4位を確保する結果を残した。

 明大は主力選手の安定性、早大は1区候補の不在という課題は残したが、総合力では箱根でも上位争いができるところを見せた。

 一方、前回の箱根の優勝校である日体大は、1区のハイペースに対応できず序盤から遅れて10位で発進。その後、2区の山中秀仁(2年)は早大・大迫や山梨学大の井上大仁(3年)とともに区間賞を獲得し、4区の服部も駒大・村山には1分8秒の差をつけられながら区間2位とまずまずの成績を残した。この時点で3位に盛り返して7区までつなげたが、主力のひとりであるアンカーの矢野圭吾(4年)が終盤になって失速して、6位までに与えられる来年の全日本大学駅伝のシード権を逃す8位に落ちるという予想外の結果に終わった。

 前回の箱根優勝というプレッシャーは、意識しないようにしても選手たちの心に忍び込んでいるはずだ。それを吹き払うためにも、ここからの積み重ねが重要になってくる。

 二冠を達成した駒大の大八木監督も、「選手層をみれば東洋大の方が上だから、うちは箱根へ向けてひとつひとつの駅伝をしっかり戦おうという気持ちでやってきた。箱根に向けて、三冠とは考えないで同じような気持ちでやっていきたい」と、引き締める。今回の箱根は、力が接近しており、ひとつのミスで脱落もあり得る戦国駅伝。二冠獲得の駒大といえども、気持ちは緩められないのだ。

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