【箱根駅伝】予選会は順当な結果に。3強を脅かす大学はあったか (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 その前回王者を追うのが出雲優勝の駒大になる。前回3区で区間3位だった中村匠吾(3年)が、今年は1万mのベストを28分05秒79まで伸ばし、出雲でも1区で日体大の服部に20秒差をつけてチームを流れに乗せた。さらにエースの窪田忍(4年)は5000mで自己記録を更新している。前回5区に挑戦した村山謙太(3年)も、自己記録こそ更新していないが、春から日本陸連合宿にも参加して積極的な走りで底力を上げている。

 そんな駒大の3本柱に負けないスピードを誇るのが東洋大だ。4年になった設楽啓太と悠太の兄弟は今年、1万m27分51秒54、27分54秒82と、自己記録を伸ばしている。さらに大津顕杜(4年)が28分39秒54、服部勇馬(2年)が28分22秒43、田口雅也(3年)が28分37秒37と、それぞれ自己ベストを出している。出雲では序盤でつまずき悪い流れになりながらも、3区の設楽悠太と4区の延藤潤(4年)が区間3位の走りで立て直し、5区の服部勇馬が区間1位で順位を2位に上げ、存在感を示した。

 ただし駒大と東洋大は、前回の6区がともに4年生だったため、新たなスペシャリストを見つけなければいけないということと、日体大の服部に対抗できる5区の走者をつくらなければいけないという課題が残る。

 前哨戦となるのが11月3日の全日本大学駅伝。8区間106㎞のコースではスピードのある駒大と東洋大が優勝争いの最右翼となるが、今季の勢いをみれば日体大も侮れない。出雲で敗れた東洋大と日体大が、大会3連覇を狙う駒大を相手にどう巻き返すか。箱根へむけて意識を高める意味でも、3強にとっては重要な戦いになる。

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